少子化の中で地方の大学に必要なのは、延命ではなく再編だ。
私たちはそう考えている。
私立大学から公立大学へ転換した事例は、これまでに12大学ある。
東北公益文科大学、九州看護福祉大学の2大学が2026年以降に続き、合わせて14大学となる。
いずれも、定員割れが続き経営が厳しくなった大学だ。
公立化の効果は数字にはっきり表れている。
私立大学時代の授業料は年間90万円から120万円だったが、公立化後は国立大学と同じ約53万5800円になる。
年間で約40万円の負担軽減だ。
志願倍率は初年度に急騰したのち、4倍から7倍程度で安定する。
偏差値は10から20ポイント上昇し、定員割れはすべての大学で解消した。
大学を存続させるという目的においては、公立化は成功していると言える。
しかし、課題もある。
総務省は、公設民営の歴史を持つ大学に限って公立化を認めており、単に経営難だという理由だけで私立大学を公費で救済することは認めていない。
志願者は全国から集まる一方で、地元からの入学率はむしろ下がる大学もある。
卒業後に地域へ定着する学生の割合も、大学によってばらつきが大きい。
大学を残すことと、地域に人を残すことは、同じではない。
だからこそ、公立化は再編とセットで進める必要がある。
学費を下げるだけでは、地元の高校生に選ばれる大学にはならない。
地域に不足する学科、これから必要となる学科へと組み替え、地元の高校・企業・自治体とつながる仕組みをつくる。
公立化は、そのための入り口にすぎない。
国立大学の定員拡充と、再編を伴う私立大学の公立化。
この二つを両輪として進めることで、地方の大学は生き残るだけでなく、地域の未来をつくる拠点へと変わっていく。