「ちょっと調子が悪い」から始められるセルフ医療
ある月曜日の夜。 残業を終えた会社員の佐藤さんは、駅から自宅へ向かう途中で少し喉の痛みを感じていた。
昔なら、そのまま寝ていたかもしれない。 病院は閉まっているし、わざわざ救急へ行くほどでもない。
しかし今は違う。 佐藤さんはスマートフォンを取り出し、日本医療専用AIを開いた。
「37.1度の微熱」「喉の痛み」「咳は少し」。
数秒後、AIはこう答えた。
『現時点で緊急性は高くありません。十分な休養と水分補給をおすすめします。高熱や呼吸苦が出た場合は受診を検討してください。』
佐藤さんは安心した。 駅前のドラッグストアでのど飴と飲み物を買い、その日は早めに眠ることにした。
数日後には元気になっていた。
休日の午前。 72歳の山田さんは庭仕事の途中で少し息切れを感じた。
年齢のせいだと思ったが、最近同じことが増えている気がする。
山田さんは近所のドラッグストアへ向かった。
店内の健康相談カウンターでは、薬剤師が無料で相談に応じている。
「最近息が切れるんですよ。」
薬剤師は健康ネットの推移データを一緒に確認しながら言った。
「念のため受診してみませんか。」
結果として大きな病気ではなかった。 しかし血圧の上昇が見つかり、生活習慣を見直すきっかけになった。
土曜日の夜。 小学二年生の娘が突然熱を出した。
母親は慌てて体温計を取り出す。 38.5度。
昔ならインターネット検索を繰り返し、不安なまま夜を過ごしていたかもしれない。
しかし今は日本医療専用AIがある。
症状を入力すると、家庭で様子を見てよい状態なのか、夜間受診が必要なのかを分かりやすく案内してくれる。
『水分摂取を続けてください』『この症状が出た場合は受診してください』。
母親は落ち着いて子どもの様子を見ることができた。
別の日。 健康定期便が届いた。
「前回の胃カメラ検査から6年が経過しています。」
その一文を見て、後回しにしていた検査を思い出す。
症状はなかった。 それでも受診した結果、小さな異常が早期に発見された。
健康定期便が病気を見つけたわけではない。 ただ、忘れていたことを思い出させてくれた。
こうした光景は、全国で当たり前になっていた。
若い人は、まず日本医療専用AIへ相談する。 心配ならドラッグストアへ向かう。 様子を見るという選択をする人もいる。
お年寄りは近所の薬局やドラッグストアで気軽に相談する。
本当に医師が必要な人は病院へ。 そうでない人は日常の中で健康を管理する。
病院か放置か。
かつては、その二択しかなかった。
しかし今は違う。
日本医療専用AI。 ドラッグストア。 薬局。 健康ネット。 健康定期便。
それらが人々の暮らしの中に自然に存在している。
病気になってから治療する社会ではなく、健康を育てる社会。
みらい社会創造ラボが描いているのは、そんな未来の日常である。