健康情報がいつも身近にある社会 ― 子育て世代編
土曜日の夕方。
3歳の娘が「痛い」と言いながら口元を気にしていた。
熱はない。
しかし機嫌が悪い。
夕食もあまり食べない。
母親は心配になった。
子育ては初めてだった。
何が起きているのか分からない。
インターネットで調べてみる。
すると様々な病気の説明が出てくる。
しかし症状は似ているものばかりだった。
どれが当てはまるのか分からない。
どう対処すればよいのかも分からない。
かえって不安になった。
そこで母親は日本医療専用AIへ相談した。
年齢、症状、発熱の有無を入力する。
するとAIはこう表示した。
「口の中の写真を撮影してください」
母親はスマートフォンで娘の口の中を撮影した。
数秒後。
AIは推察結果を表示した。
「手足口病の可能性があります」
もちろん診断ではない。
しかし考えられる病気と、その理由が分かりやすく説明されていた。
さらに、水分補給の方法や注意点も表示された。
母親は少し安心した。
その日は自宅で様子を見ることにした。
そして翌日、受診することにした。
別の日。
父親は残業帰りの電車の中にいた。
最近疲れが抜けない。頭痛も増えている。
健康ネットを開く。
過去数年の健康診断結果が表示された。
体重は少しずつ増え、血圧も上昇傾向にあった。
子育てと仕事に追われ、自分の健康は後回しになっていたことに気付く。
翌週、駅前のドラッグストアへ立ち寄った。
薬剤師に相談すると、生活習慣の見直しや受診の目安を教えてくれた。
病院へ行くほどではない。
しかし放置するほどでもない。
その間を支えてくれる場所が、身近なドラッグストアだった。
土曜日の夜8時。
今度は息子が発熱した。
熱は38度台後半。
かかりつけ医は当然もう閉まっている。
昔なら、インターネット検索を繰り返していたかもしれない。
救急へ行くべきなのか。
朝まで様子を見るべきなのか。
母親は日本医療専用AIへ相談した。
必要な観察項目や、水分補給の方法、受診の判断基準が表示される。
高い緊急性はなさそうだった。
時計を見る。
午後9時。
駅前のドラッグストアはまだ営業している。
母親は必要な飲み物や冷却用品を購入した。
薬剤師にも少し相談する。
帰宅後は落ち着いて子どもの様子を見ることができた。
子育て世代は忙しい。
仕事もある。
家事もある。
子どもの送り迎えもある。
だからこそ、必要な時に相談できる場所がある。
必要な時に情報が届く。
それだけで、安心できることがある。