みらい社会創造ラボ
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【コラム】 制度は増える。実効性は増えない。

多子世帯向けの支援制度は、この10年で確かに増えた。児童手当の拡充、大学無償化の多子世帯対象化、住宅ローンの金利優遇。数だけ見れば、政策は前進しているように見える。


しかし、実際にどれだけの家庭が使いこなせているかと問われると、話は別だ。扶養から一人外れれば失権する大学無償化。上の子の年齢によって消える児童手当の加算。同時在籍が条件になっている保育料の軽減。制度は増えたが、その多くは、使える家庭を狭めるような細かい条件とセットで設計されている。


なぜこうなるのか。


行政の側にも、事情はあるのだろう。不正利用や不公平だという批判を避けるためには、条件を厳しくする方が安全だ。「誰でも使える制度」より「厳しく絞った制度」の方が、後から追及されにくい。制度を複雑にすることは、仕事をした証にはなる。しかしそれが、実際に家庭の役に立っているかどうかは、また別の話だ。


そしてもう一つ、見過ごされがちな点がある。こうした制度の多くは「有識者会議」という場で設計される。そこに集まるのは、学者や経営者、官僚経験者といった、生活に困った経験の少ない人たちだ。


本当に必要な設計図は、会議室の中にはない。今まさに二人目、三人目を迷っている家庭、あるいは制度を使おうとして跳ね返された家庭の声の中にある。


だからこそ私たちは、有識者会議ではなく、大規模なアンケートを提案したい。当事者に、直接、何度でも尋ねるべきだ。

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