「兄弟がいないと、可哀想」
かつて、そう言われることが珍しくない時代があった。しかし今、この言葉を口にする人は、少しずつ減っている。
2025年の調査では、20〜30代夫婦が理想とする子どもの数は「2人」が過半数を占め、依然として多数派だ。しかし20代男性に限ると、「1人で十分」と答える割合が他の層より高くなっている。
「一人っ子はかわいそう」という規範は薄れつつあるが、「二人育てたい」という願望自体は、まだ多数派として残っている。このズレこそが興味深い。
なぜ規範だけが薄れたのか。
一つには、今の20〜30代自身が、きょうだいの少ない世代であることが挙げられる。日本の出生率は1970年代から2を下回り、1990年代には1.5を割った。つまり今の子育て世代の多くは、「きょうだいが2〜3人いるのが当たり前」の実体験を持たずに育っている。比較する物差しがなければ、「足りない」という感覚も生まれにくい。
もう一つは、個を尊重する価値観の広がりだ。「きょうだいがいた方が社会性が育つ」という理屈より、「一人の子どもに、十分な時間とお金をかけたい」という考え方が、自然に受け入れられるようになっている。
だが国立社会保障・人口問題研究所の調査を見ると、理想と現実の差を生む最大の理由は、依然として「お金」だ。とりわけ妻の年齢が若い層ほど、この理由を選ぶ割合は高い。
つまり、「二人目はいらない」という価値観の変化ではなく、「二人目は欲しいが、お金が理由で諦めている」という現実的な制約が、若い世代ほど重くのしかかっている。
規範の変化に、逆らう必要はない。願望がまだそこにあるなら、その願望を後押しする方法を考えればいい。
ミライそなえが目指しているのは、まさにそこだ。