【みラボの提言】 3本の矢が創り出す再生への道
日本の未来、大丈夫ですか
ー 国力とは「人」です ー
私たちは、このまま放置してよいとは思いません。
しかし、日本はもう手遅れだとも思っていません。
教育への不安を減らすこと。
病気を減らし、健康な人を増やすこと。
地方に若者が残れる環境をつくること。
私たちは、この3つを同時に進めることが大切だと考えています。
すぐに効果が期待できる改革もあります。
一方で、時間をかけて取り組まなければならない課題もあります。
大切なのは、その両方を進めることです。
私たちはこれを、
「今できる手術」と
「10年かけて行う体質改善」
だと考えています。
人を育てる。
病気を減らす。
地方を元気にする。
ここからは、そのための具体的な提案についてお話しします。
第1章 不安が「子ども=出生数」を減らしている
この10年だけでも、日本の景色は大分変わってきました。
人手不足という言葉を聞く機会が増え、地方では学校やお店が姿を消し、病院や介護の担い手不足も話題になるようになりました。
子育てや教育に不安を感じる人も増えています。
しかし、多くのニュースは「人口が何万人減りました」「出生数が何万人でした」と数字を伝えるだけです。
本当に大切なのは、その数字が私たちの暮らしにどのような影響を与えるのかを考えることではないでしょうか。
そして日本は、少子化、医療、地方、人手不足などを別々の問題として対応してきました。
けれども、それらは本当に別々の問題なのでしょうか。
まずは、この10年で何が起きたのかをデータで見てみましょう。
| 項目 | 2016年 | 2026年 | 2036年予測 |
|---|---|---|---|
| 総人口 | 1億2693万人 (100%) | 約1億2300万人 (97%) | 約1億1500万人 (91%) |
| 出生数 | 97万人 | 約68万人 | 50万人台予測 |
| 生産年齢人口 | 7596万人 | 約7300万人 | 約6500万人 |
| 65歳以上人口 | 3460万人 | 約3600万人 | 約3800万人 |
| 高齢化人口比率 | 27.3% | 約29% | 約33%予測 |
| 医療費 | 約42兆円 | 約50兆円規模 | さらに増加予測 |
| 地方人口 | 減少開始 | 継続減少 | さらに減少 |
※数値は概数を含みます。
こうして並べてみると、日本で起きている変化は決して一つではありません。
子どもが減り、働く人が減り、高齢者は増えています。
その結果として、人手不足や地方の衰退、医療費の増加など、さまざまな問題が同時に起きています。
そして、その変化はこれからさらに大きくなると予想されています。
私たちは今、その入り口に立っているのかもしれません。
もし、この流れがこのまま続いたら、20年後の日本はどうなっているのでしょうか。
そして、その未来を変える方法はあるのでしょうか。
次の章では、私たちが今行動する必要がある理由を考えてみます。
第2章 なぜ少し先の未来を考えるのか
ここまで見てきたように、日本では人口減少、高齢化、人手不足、医療費の増加が同時に進んでいます。
しかし、これらは明日突然起きる問題ではありません。
10年、20年という長い時間をかけて少しずつ進行していく変化です。
だからこそ、多くの人は「まだ大丈夫」と感じてしまいます。
けれども、子どもは明日増えるわけではありません。
今年生まれた子どもが社会を支える人材になるまでには、およそ20年かかります。
大学まで進学するとすれば、社会に出るのは22年後です。
つまり、2046年の日本を支える人材は、これから生まれる子どもたちなのです。
人口減少が進んでから対策を始めても、その効果が現れるのはさらに20年後になります。
私たちは今、予測困難な未来の入り口に立っています。
だからこそ、問題が深刻になってからではなく、今のうちに準備を始める必要があります。
20年後は遠い未来ではありません。
今生まれた子どもたちが社会を支える頃の日本です。
私たちは、その頃の日本を見据えながら考えていきたいと思います。
では、私たちは何から始めればよいのでしょうか。
みラボは、その答えとして三つの提案を考えました。
第3章 未来のために考えた三つの提案
ここまで見てきたように、日本が抱える課題は一つではありません。
少子化。
医療費の増加。
地方の人口減少。
人手不足。
それぞれ別の問題に見えます。
しかし、その多くは「人が減る社会」という共通の課題につながっています。
だからこそ、一つひとつの問題を別々に解決しようとしても限界があります。
社会のあちこちで動きが悪くなり、少しずつ余裕を失っているように見えます。
だから必要なのは全面的な作り直しではなく、再び社会が回り始めるための仕組みです。
私たちは、そのための三つの提案を考えました。
人を育てる国へ ― 保育・教育費実質無償化 ―
未来をつくるのは「人」です。
AIが進化しても、ロボットが増えても、社会を支えるのは最後は人です。
医師も。
教師も。
技術者も。
研究者も。
子どもたちの中から生まれます。
しかし今、多くの家庭が教育費への不安を抱えています。
本当はもう一人子どもが欲しい。
大学へ進学させてあげたい。
夢に挑戦させてあげたい。
そう思いながらも、教育費を考えると迷ってしまう。
そんな家庭は少なくありません。
私たちは、教育費への不安を減らすことが、少子化対策であり、人材育成であり、20年後の日本への投資だと考えています。
保育費や教育費への不安を減らし、都市・地方関係なく、すべての子どもが学ぶ機会を持てる社会を目指します。
そして、その子どもたちが20年後の日本を支える力になっていくのです。
病気を減らし健康を保つ国へ ― 健康インフラの整備 ―
日本の医療費は約50兆円規模に達しています。これは国の予算の4割に及びます。
そして高齢化の進行とともに、今後も増加していくと考えられています。
医療は大切です。
必要な人が安心して医療を受けられる社会は守らなければなりません。
しかし同時に考えるべきことがあります。
それは、病気になる人そのものを減らせないだろうかということです。
私たちは、病気になってから支える社会だけではなく、病気を減らす社会を目指します。
健康状態の常時蓄積による病気予防・早期発見
室内空気環境の改善による感染抑止
マイナカードに蓄積する健康データとAI分析(完全任意参加・希望者のみ)
健康を保つ地域のインフラづくり(ドラッグストアの活用)
こうした取り組みによって健康な人が増えれば、医療費の増加を抑えることができ、他の財源を圧迫することを回避できます。
そして、もし医療費を抑制でき、余力までが生まれたなら、教育や子育てなど未来への投資へ回すことができます。
私たちは、健康を守ることも未来への投資だと考えています。
地方が輝く国へ ― 国立大学から地方を育てる ―
地方には地方の資源があります。
産業があります。
文化があります。
そして全国に国立大学があります。
しかし現在、多くの若者が進学や就職をきっかけに都市部へ移り、そのまま地元へ戻らない流れが続いています。
地方で育った人材が都市へ集まり、地方では人材不足が進む。
その繰り返しが、地方の人口減少と東京一極集中を加速させています。
私たちは、この流れを変えるために地方大学の役割を見直したいと考えています。
地方大学を、単なる教育機関ではなく、地域の未来を創る拠点にするのです。
一次産業 ー 食料 ー 観光 ー 医療 ー エネルギー
地域ごとの課題や強みを研究する、あるいは全く新しい方向性を打ち出す。
そしてそれらを新しい産業や仕事につなげていく。
そして大学、企業、自治体が連携しながら地域の未来を育てていく。
学生が地域で学び、地域で働き、地域で暮らす選択肢を増やしていく。
地方大学が地域産業と結びつけば、若者の流出を減らし、新しい雇用も生まれます。
東京に人を集め続けるのではなく、それぞれの地域が自ら人を育て、仕事を生み出し、未来を創る。
それが私たちの考える地方創生です。
大学そのものを強化することが目的ではありません。
大学と企業、自治体、地域産業を結び、若者が地域に残り、働き、家庭を築ける循環をつくることが目的です。
私たちは、地方大学を地域循環の回路の中心として位置づけています。
第4章 まずは子どもたちへの投資から
私たちは、日本の未来を変えるために、まず子どもたちへの投資から始めたいと考えています。
なぜなら、人を育てることは最も確実な未来への投資だからです。
教育への投資は、20年後のためだけではありません。
子育て世帯の不安を減らし、社会の空気を変える効果もあります。
私たちは、まずここから始めるべきだと考えています。
今の子どもたちは、未来の日本を支える存在です。
未来の働き手。
未来の医師。
未来の技術者。
未来の研究者。
未来の教師。
未来の職人。
未来の伝統継承者。
未来のスポーツ選手。
未来のアーティスト。
そして、未来の親たちです。
子どもたちは、日本の未来を支える存在です。
そして、その子どもたちを育てているのは今を生きる私たちです。
都市・地方に関係なく、すべての子どもが学ぶ機会を得て、社会へ羽ばたいていく。
私たちは、そんな社会を目指しています。
大きな病気の治療には、まず手術が必要になることがあります。
私たちは、教育費負担の軽減がその役割を果たすと考えています。
子育てや教育への不安を和らげ、社会に前向きな空気を生み出すためです。
まず私たちが実現したいのは、保育・教育費実質無償化です。
私たちの試算では、この仕組みを実現するために必要な規模は年間約7兆円です。
しかし、すでに様々な形で保育・教育支援が行われており、その規模は約3兆円あります。
そのため、新たに必要となる資金は年間約4兆円です。
私たちは、この資金を「こどもみらい基金」として集め、日本の未来へ投資していくことを提案します。
こどもみらい基金は、単なる教育支援制度ではありません。
未来への投資を社会全体で支える仕組みです。
保育や教育にかかる負担が軽くなれば、その分だけ家計にゆとりが生まれます。
もちろん一部は貯蓄に回るでしょう。
しかし多くは、住宅、旅行、外食、趣味、子どもの習い事など、新たな消費として社会へ戻っていきます。
家庭のお金が動けば、企業の売上が増えます。
企業が元気になれば、雇用や賃金にも良い影響が広がります。
教育への投資は、未来の人材を育てるだけではありません。
今の経済を動かし、社会全体に活力を生み出す投資でもあるのです。
4兆円という数字は大きく見えるかもしれません。
しかし、日本全体で見れば決して不可能な規模ではありません。
私たちが提案する毎年4兆円は、長期を見据えた景気対策でもあります。
未来の人材を育てながら、消費と経済を動かし続けるための投資です。
日本の国家予算は約120兆円。
企業の内部留保は600兆円を超えています。
家計金融資産は2,300兆円にもなります。
未来の子どもたちのために力を合わせることは、決して不可能な挑戦ではないと私たちは考えています。
また私たちは、財源を増税だけに求めるのではなく、寄付、企業参加、クラウドファンディング、医療費抑制によって生まれる余力など、多様な参加によって未来への投資を実現したいと考えています。
教育費負担の軽減は、私たちが考える「手術」です。
そして、健康づくりや地方の再生は「体質改善」です。
どちらか一方だけでは十分ではありません。
だから私たちは、人を育てることから始めます。
人を育てる。
健康を守る。
地方を元気にする。
この三つをつなぎ、日本の未来を支えていく。
それが、私たちの考える「こどもみらい基金」です。
保育・教育費実質無償化の試算(年間)
| 項目 | 含まれる費用項目 | 一人あたり年額 (概算) |
対象人数 | 項目総額 |
|---|---|---|---|---|
| 保育園(1歳~就学前) | 保育料、公立保育園相当費用 | 約43万円 | 約230万人 | 約1.0兆円 |
| 幼稚園・認定こども園 | 保育料、教材費等 | 約25万円 | 約80万人 | 約0.2兆円 |
| 小学校 | 給食費、教材費、実習費、校外学習費、修学旅行 | 約12万円 | 約600万人 | 約0.7兆円 |
| 中学校 | 給食費、教材費、実習費、校外学習費、修学旅行 | 約16万円 | 約320万人 | 約0.5兆円 |
| 高校 | 授業料、入学金、教材費、実習費、修学旅行 | 約45万円 | 約290万人 | 約1.3兆円 |
| 大学(学部) | 国公立大学相当の授業料・入学金 | 約80万円 | 約265万人 | 約2.1兆円 |
| 大学院(修士・博士) | 国公立大学相当の授業料・入学金 | 約80万円 | 約28万人 | 約0.2兆円 |
| 短期大学 | 国公立大学相当の授業料・入学金 | 約80万円 | 約10万人 | 約0.08兆円 |
| 専門学校 | 国公立大学相当の授業料・入学金 | 約65万円 | 約60万人 | 約0.4兆円 |
| 合計 | - | - | 約1,883万人 | 約6.5兆円 |
※ 私立学校などへ進学した場合の差額は自己負担としています。
※ 大学の教材費・設備費・実習費は学部ごとの差が大きいため試算に含めていません。
※ 修学旅行費は、小学校5万円、中学校10万円、高校15万円を上限として試算しています。
Q&A よくある質問
Q)このまま少子化が進むとどうなりますか?
A)働く人が減り、地域を支える人も減っていきます。学校や公共交通、医療や介護など、今は当たり前にあるサービスを維持することも難しくなるかもしれません。少子化は単に子どもの数が減ることではなく、社会を支える「人」が減っていくことでもあります。
Q)教育費実質無償化するとどのようなことが起きますか?
A)教育費への不安が小さくなれば、子どもを持つことや進学へのハードルも下がります。二人目や三人目を考えやすくなる家庭もあるかもしれません。また、家庭の事情で進学をあきらめていた子どもたちにも新しい選択肢が生まれます。
Q)私立学校の費用はどうなりますか?
A)公立基準の教育費を支給します。授業料の高い私立学校などへの授業料や施設使用料などは自己負担となります。
Q)教育費実質無償化だけで解決するのでしょうか?
A)それだけで解決するとは考えていません。不安を減らすための重要な一歩であり、健康インフラや地方活性化と組み合わせることで大きな効果が期待できると考えています。
Q)子どもがいない人にも関係がありますか?
A)未来の働き手、納税者、医療従事者、技術者を育てることにつながります。次の世代を育てることは社会全体に関わるテーマです。
Q)病気を減らすと何が変わるのですか?
A)日本の医療費は約50兆円規模に達しており、その多くは高齢化とともに増加しています。これから団塊世代の高齢化がさらに進めば、医療費は今後も増加していくと考えられています。健康な人が増えれば、その増加を緩やかにすることができます。その結果として生まれた余力を、教育や子育て、地方づくりなど次の世代へつながる取り組みに活かせる可能性があります。
Q)なぜ地方大学が重要なのですか?
A)地方の子どもたちが地元で学びやすくなり、卒業後も地域で働き暮らす選択肢が広がります。地方活性化や東京一極集中の緩和にもつながる可能性があります。
Q)こどもみらい基金とは何ですか?
A)教育費実質無償化、健康インフラの整備、大学から地方を育てる取り組みを、一つの循環として進めるための仕組みです。
未来予測レポート
静かに変わっていく日本
2026年。
ある日の昼休み。
高橋さんは会社近くの飲食店で昼食をとっていた。
注文を受けた店員は外国人だった。会計を担当した店員も外国人だった。帰りに立ち寄ったコンビニでも、レジに立っていたのは外国人スタッフだった。
それはもう珍しい光景ではない。
建設現場では外国人技能者が働き、食品工場や物流倉庫でも多くの外国人が働いている。私たちはすでに、外国人労働者に支えられる社会の中で暮らしている。しかし、その変化はあまりにも自然に進んだため、多くの人は特別なことだとは感じていない。
一方で地方では、別の変化が静かに進んでいた。
利用者の減った路線バスは減便され、高校や小学校では統廃合の話が進んでいる。産婦人科や小児科が減り、受診のために隣の市まで車を走らせる家庭も珍しくない。
それでも街は存在している。
スーパーもある。
学校もある。
役場もある。
だから多くの人は「まだ大丈夫だ」と感じている。
しかし、それらは人口減少がもたらす変化の入り口に過ぎなかった。
2031年。
高橋さんは、以前より仕事が忙しくなっていることに気付いていた。
会社では退職者が出ても後任がなかなか見つからない。求人を出しても応募が少なく、採用できてもすぐに埋まるわけではない。
同じことは社会全体で起きていた。
建設会社では工事の依頼を断ることが増え、物流会社ではドライバー不足によって配送体制そのものの見直しが始まっている。介護施設では利用希望者がいても職員不足で受け入れられず、病院でも看護師や医療従事者の確保が大きな課題になっていた。
仕事はある。
需要もある。
しかし働く人が足りない。
その状態が様々な業界で当たり前になり始めていた。
外国人労働者もさらに増えていた。
かつては人手不足を補う存在だったが、この頃には社会を支える重要な担い手になっている。コンビニや飲食店だけではなく、物流、建設、介護、農業、製造業など、多くの現場で外国人材がいなければ仕事が回らなくなっていた。
社会は問題なく動いているように見える。
しかしその裏側では、以前と同じサービスを維持するために、より多くの努力が必要になっていた。
2036年。
高橋さんの息子は大学進学を考える年齢になっていた。
その頃になると、多くの家庭が共通して感じる変化があった。
給与は以前より上がっている。しかし手元に残るお金は思ったほど増えていない。
医療や介護を支えるための社会保険料は増え続けている。住宅費も高い。物価も上がっている。そして何より、多くの家庭が教育費の重さを改めて意識するようになっていた。
大学まで進学したらいくら必要なのか。
大学院まで進学したらどうなるのか。 兄弟が二人なら。
三人なら。
本当はもう一人子どもが欲しかった。
しかし教育費を考えると決断できない。
そんな夫婦は決して少なくなかった。
旅行を一回減らす。
外食を少し減らす。
車の買い替えを先送りする。
老後資金の準備を急ぐ。
一つひとつは小さな判断だが、その積み重ねによって家計の余裕は少しずつ失われていく。
企業も同じだった。
人材を確保するため賃金を上げる。しかし利益には限界がある。人件費上昇と人手不足が同時に進み、多くの企業が成長よりも維持を優先するようになっていた。
外国人労働者はさらに増え、地方都市では外国人向け住宅や日本語学校が増加していた。地域社会そのものが少しずつ姿を変え始めていたのである。
2040年代。
日本は依然として豊かな国であり続けている。
電気はつく。
水道も使える。
インターネットも高速でつながる。
AIやロボット技術も広く普及している。
しかし社会の風景は、二〇二〇年代とは少し違っていた。
病院では受付や事務作業の多くが自動化され、物流センターではロボットが荷物を運び、工場では少人数で生産が行われている。人手不足を補うため、社会全体が効率化を進めていた。
それでも人の手が必要な仕事は残る。
介護、保育、医療、建設、輸送といった分野では、依然として人材確保が最大の課題だった。
学校や病院、公共交通、行政サービスは、人口が減った社会に合わせて再編と集約が進んでいる。すべてを以前と同じ形で維持するのではなく、限られた人材と財源をどう活用するかを考える時代になっていた。
外国人労働者は日本社会の重要な構成員となり、学校では外国にルーツを持つ子どもたちが当たり前に学んでいる。地域社会も以前より多様になり、日本はゆっくりと新しい社会の形へ移行していた。
昨日と今日を比べても大きな違いは見えない。
一年でも実感しにくい。
しかし十年、二十年という時間の中では、社会の姿は確実に変化している。
少子化とは単に子どもの数が減ることではない。
未来の働き手が減り、未来の納税者が減り、社会を支える人そのものが減るということである。
そして人口減少社会とは、何かが突然起きる社会ではなく、人が減る速度に合わせて社会全体が少しずつ姿を変えていく時代なのかもしれない。
その変化の中で、多くの家庭が最初に向き合うのは「教育費をどうするか」という現実である。